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アメリアの物語

  • 執筆者の写真: 水月 雪兎(Mizuki Yukito)
    水月 雪兎(Mizuki Yukito)
  • 2021年9月9日
  • 読了時間: 2分

「絵にとじこめた人形たち」会期中です。


日程:2021年9月8日(水)〜12日(日)

14:00~21:00(最終日は19時)

場所:Gallery 螺旋 (マチモの壁)​ 東京都杉並区高円寺南3-45-1永和ビル302 03-5378-1517

閲覧料:飲食のオーダーをお願い致します。


こちらの人形「月光信仰」で参加しています。



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電飾のギミックが仕込んであり光ります。

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部屋の電気を消すとこうなります。

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展示風景はこんな感じみたいです。

写真はgallery螺旋さんのツイッター画像をお借りしました。

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それでは今回出展した人形にまつわる物語を。




「アメリアの物語」


アメリアというのが私に与えられた名前だった。

私は小説家が書いた物語の中に生まれた。

この世には存在しない人形。

物語の中で私は少女に愛される人形として登場するのだ。


小説が出版されることになり絵描きが挿絵として私を描いた。

金押しの美しい装丁の本の中に一人の人形として姿を与えられた。


物語の中でアメリアは月の光に祈る。

「私も人形ではなく人間になりたい」


挿絵の中の私は小説の中のアメリアとは分離してしまったようだ。

絵にとじこめたアメリアである私は現実に存在する人形になりたいと思う。

毎晩月の光が本を照らし私は祈らずにはいられなかった。


今宵100年に一度、月と地球が接近する日。


挿絵の描かれたページが開かれたまま。

私はじっと窓から注ぐ月の光を待った。


私は祈る。

「とじこめられたこの絵の世界から私を解き放ち給え」


月光がゆっくりと降り注いできた・・・。







 
 
 

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©2019 by 水月雪兎 人形廃墟

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