気象管(ストームグラス)試作
- 水月 雪兎(Mizuki Yukito)
- 2019年11月8日
- 読了時間: 3分
更新日:2019年11月8日

中学校の時にストームグラスがダーウィンの乗るビーグル号で天気予報アイテムとして使用されていた事を知り、科学館で作り方を聞きに行ったら(ネットなんか無い時代でしたからね)「あれは科学的根拠がないものだから」と一切取り合ってもらえず、トラウマになっていた気象管です。
最近私の周りで作るのが流行っているみたいなので便乗してみました。
そう、ストームグラスは科学的根拠が無い。
つまりこれで天気予報はできません。
そもそもビーグル号に積んであったものは瓶の上部を密閉ではなく紙か皮で蓋をしていたようです。
そうすると気圧の変化も関係してくるのかな?という気もしますが・・・しかし密閉していないとなると樟脳を溶かすためのエタノールはどんどん揮発していくわけだし、確かにこれで天気予報ができたのかどうか疑問ではあります。
しかしまぁ、面白そうなので何事も実験です。
耐熱瓶に樟脳とエタノールと水を入れて溶かす。
本来はこれに硝酸カリウムと塩化アンモニウムを入れるものらしい。
しかし一般的にすぐ手に入る薬品ではないのでネットを探してみると、塩化アンモニウムの代わりに塩化カリウム、硝酸カリウムの代わりに硝酸アンモニウムを代用させると例外なく出てくる。
アンモニウムとカリウムを入替えただけで同じ反応は起きませんが(つまり代用にはならない)、そもそもさほど厳密なものでもなさそうなので置き換えの方法で作ってみました(樟脳とエタノールだけで良さそうな気もしますが・・・)。
ちなみに、プラスチック容器はアルコールで溶けるからダメっていうのが多かったんだけど、樟脳の成分がプラスチックを溶かす場合もあるということでアルコールはさほど関係ありません。
前置きが長くなりました。
耐熱ガラスで蓋をして(時々開ける)ウォーターバス(70℃設定)で溶解。

濁っていますね。
試薬は調整直後は不安定なのでこんなものなんですね。
一日経って濁りが取れないようならろ過するか何かすることを考えていました。
冷めてくると結晶が析出してきます。

細かい雪のような感じ。
ネットの情報に拠ると上澄みは無色透明で結晶の形は羽毛状になったりするらしい。

半日経過すると結晶の一つ一つが少し大きくなっていました。
そこで見やすいように細長いガラス瓶に移し変えました。

翌日です。
上澄みは無色透明で、羽毛状の結晶ができていました。

ここの気温は大体23度くらいなので、さらに三日経っても結晶の量は違えど形は一定でした。
天気予報はできないが、結晶の形の変化が非常に興味をそそられるのでこれは面白いアイテムだなという感想です。
ためしにこれを使用したアクセサリーを製作してみます。
その際に重要なのは「どうやって密閉するか?」ですね。
劇物ではないが肌につけるものだし、経口摂取は良くない。
きちんと密閉するには密閉用のパッキンなどを考える必要があります。
さてさて、忙しくなってきました。
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